ステップ3 礼儀正しい文章

多くの人が敬語に自信を持てないという状況はよくあります。しかし、ビジネスの環境では、適切な敬語の使用が要求されます。そこで、この記事では、敬語の基礎に焦点を当てて説明します。

目次

お・ご(御)を正しくつけよう

「お・ご(御)」は相手に対して敬意を表すときに付けます。

「お・ご(御)」の使い方について、例文を挙げて説明します。

気軽にお立ち寄りくださいませ。」
相手に対して敬意を表しているので「」の付け方は正しいです。

「あいにく本日は所用のため、出席できません。」
自分側のことを言っているので「」は不要になります。この場合は「出席できません。」です。

次の文章から「ご」を付けた方がよいと思われる語を3カ所探してください。回答は文末にある「」ここをクリックしてください。

問題
使用中に、もし不具合が発生した際には、1階のフロントカウンターサービスへ一報ください。直ちに係員を参上させますので、利用願います。

回答

使用中に、もし不具合が発生した際には、1階のフロントカウンターサービスへ一報ください。直ちに係員を参上させますので、利用願います。

人を指す言葉・敬称を覚えよう

ビジネス文章では、自分側のことを述べる場合と相手側のことを述べる場合に、特別な書き方をするものがあります。これは相手方に対する礼儀・社交上から生まれたものです。
例えば、自分の会社のことをへりくだって言う場合は「弊社」といいます。その逆で相手の会社を表す敬語は「御社」また、「貴社」といいます。

敬称を付けるときの決まり事を下記にまとめました。

受信者用途正しい敬称
お得意様多数に配布するときお得意様各位
山田 一郎恩師に宛てるとき山田一郎先生
田中店長名字を付けた職名のとき田中店長殿
総務部長職名だけのとき総務部長殿
A出版株式会社お客様サービス係団体名のときA出版株式会社お客様サービス係御中
営業部長 山田 太郎役職名の後に姓名を書くとき営業部長 山田太郎

上記のまとめ
1.役職名だけの場合、基本的には「殿」を付ける。(名字を付けた職名も同様)
2.役職名の後に姓名(フルネーム)を書くときは「様」にする。(例)営業部長 山田一郎様
3.各位とは大勢の人を対象に、その一人一人を示す敬称 (例)お客様各位
※「皆様」の場合は「皆様各位」ではなく、「各位」のみにする。

尊敬語(そんけいご)について

尊敬語とは相手の動作に付けて敬意を表す言葉です。

考え方

では、おっしゃるとおりにしましょう。
「おっしゃる」 相手側が言っているので尊敬語になる。

尊敬語とは相手の動作に敬意を表すときに用いる言葉です。
例文を挙げて説明します。

お(ご)~になる」の形をつかう。
(例1) 社長が戻りになる
(例2) 部長は、明日、出発になる

ご~なさる」の型を使う。
(例)  旧に倍した1活躍をなさいますよう、お祈り申し上げます。

~れる」の型を使う。
(例)  社長も出席される予定です。

  1. これまでよりもいっそう ↩︎

頻繁に使う尊敬語を下記にまとめました。


尊敬語
会うお会いになる
言うおっしゃる
行くいらっしゃる
思うお思いになる
聞くお聞きになる
来るいらっしゃる
くれるくださる
知っているご存じ
するなさいます
尋ねるお尋ねになる
食べる召し上がる
寝るお休みになる
見せるお店になる
見るご覧になる
会社貴社
貴店

謙譲語(けんじょうご)について

自分の動作などをへりくだって述べるときに用いる言葉です。

考え方

では、申し上げたとおりでよろしいでしょうか。
「申し上げる」 私が相手に言っているので謙譲語になる。

例文を挙げて説明します。

お(ご)~いたす(する)」と使って謙譲語にする。
この「お(ご)~いたす(する)」は「あなたのために(わたしが)~する」という意味です。
つまり、「自分の動作を表す語について、その動作に及ぶ相手を間接的に尊敬する働き(謙譲語)を持っている表現。」
・ 報告いたします。
・ 待ちいたします。
・ 私からすることは、何もありません。
・ 私から話します。
・ 私から話しいたします。

頻繁に使う謙譲語を下記にまとめました。

謙譲語
会うお目にかかる
(で)ある(で)ございます
言う申し上げる
行く参上する・参ります
思う存じます
聞く伺う
来る参ります
知っている存じ上げている・存じている
するいたします
尋ねる・訪ねる伺う・お伺いする
食べる・飲むいただく
見せるお目にかける
見る拝見する
やるさしあげる
会社弊社
弊店

まとめ

 社会生活において、相手の地位、関係、状況に応じて敬語を適切に使い分けることは極めて重要です。敬語の誤った使用は、「礼儀やマナーを知らない」「失礼だ」との印象を受け、自身の信頼性や評価を損ねる可能性があります。

 特にビジネスメールでは、上司、取引相手、クライアント、顧客など、相手に対して適切な敬意を払う必要があります。

 敬語の場合は、正確な知識を獲得し、それを実践で繰り返すことが不可欠であり、継続的な努力が必要です。

 正確な敬語の理解は、メールの文章だけでなく、日常の対話やコミュニケーションにも大いに役立ちます。基本的なスキルの確立は、どんなスキルにも基盤となり、あなた自身の貴重な資産となると私は思います。最後に、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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