多くの人が敬語に自信を持てないという状況はよくあります。しかし、ビジネスの環境では、適切な敬語の使用が要求されます。そこで、この記事では、敬語の基礎に焦点を当てて説明します。
お・ご(御)を正しくつけよう
「お・ご(御)」は相手に対して敬意を表すときに付けます。
「お・ご(御)」の使い方について、例文を挙げて説明します。
次の文章から「ご」を付けた方がよいと思われる語を3カ所探してください。回答は文末にある「
」ここをクリックしてください。問題
使用中に、もし不具合が発生した際には、1階のフロントカウンターサービスへ一報ください。直ちに係員を参上させますので、利用願います。
回答
ご使用中に、もし不具合が発生した際には、1階のフロントカウンターサービスへご一報ください。直ちに係員を参上させますので、ご利用願います。
人を指す言葉・敬称を覚えよう
ビジネス文章では、自分側のことを述べる場合と相手側のことを述べる場合に、特別な書き方をするものがあります。これは相手方に対する礼儀・社交上から生まれたものです。
例えば、自分の会社のことをへりくだって言う場合は「弊社」といいます。その逆で相手の会社を表す敬語は「御社」また、「貴社」といいます。
敬称を付けるときの決まり事を下記にまとめました。
受信者 | 用途 | 正しい敬称 |
お得意様 | 多数に配布するとき | お得意様各位 |
山田 一郎 | 恩師に宛てるとき | 山田一郎先生 |
田中店長 | 名字を付けた職名のとき | 田中店長殿 |
総務部長 | 職名だけのとき | 総務部長殿 |
A出版株式会社お客様サービス係 | 団体名のとき | A出版株式会社お客様サービス係御中 |
営業部長 山田 太郎 | 役職名の後に姓名を書くとき | 営業部長 山田太郎様 |
上記のまとめ
1.役職名だけの場合、基本的には「殿」を付ける。(名字を付けた職名も同様)
2.役職名の後に姓名(フルネーム)を書くときは「様」にする。(例)営業部長 山田一郎様
3.各位とは大勢の人を対象に、その一人一人を示す敬称 (例)お客様各位
※「皆様」の場合は「皆様各位」ではなく、「各位」のみにする。
尊敬語(そんけいご)について
尊敬語とは相手の動作に付けて敬意を表す言葉です。
では、おっしゃるとおりにしましょう。
「おっしゃる」 相手側が言っているので尊敬語になる。
尊敬語とは相手の動作に敬意を表すときに用いる言葉です。
例文を挙げて説明します。
「お(ご)~になる」の形をつかう。
(例1) 社長がお戻りになる。
(例2) 部長は、明日、ご出発になる。
「ご~なさる」の型を使う。
(例) 旧に倍した1ご活躍をなさいますよう、お祈り申し上げます。
「~れる」の型を使う。
(例) 社長も出席される予定です。
- これまでよりもいっそう ↩︎
頻繁に使う尊敬語を下記にまとめました。
尊敬語 | |
会う | お会いになる |
言う | おっしゃる |
行く | いらっしゃる |
思う | お思いになる |
聞く | お聞きになる |
来る | いらっしゃる |
くれる | くださる |
知っている | ご存じ |
する | なさいます |
尋ねる | お尋ねになる |
食べる | 召し上がる |
寝る | お休みになる |
見せる | お店になる |
見る | ご覧になる |
会社 | 貴社 |
店 | 貴店 |
謙譲語(けんじょうご)について
自分の動作などをへりくだって述べるときに用いる言葉です。
では、申し上げたとおりでよろしいでしょうか。
「申し上げる」 私が相手に言っているので謙譲語になる。
例文を挙げて説明します。
「お(ご)~いたす(する)」と使って謙譲語にする。
この「お(ご)~いたす(する)」は「あなたのために(わたしが)~する」という意味です。
つまり、「自分の動作を表す語について、その動作に及ぶ相手を間接的に尊敬する働き(謙譲語)を持っている表現。」
・ ご報告いたします。
・ お待ちいたします。
・ 私からお話することは、何もありません。
・ 私からお話しします。
・ 私からお話しいたします。
頻繁に使う謙譲語を下記にまとめました。
謙譲語 | |
会う | お目にかかる |
(で)ある | (で)ございます |
言う | 申し上げる |
行く | 参上する・参ります |
思う | 存じます |
聞く | 伺う |
来る | 参ります |
知っている | 存じ上げている・存じている |
する | いたします |
尋ねる・訪ねる | 伺う・お伺いする |
食べる・飲む | いただく |
見せる | お目にかける |
見る | 拝見する |
やる | さしあげる |
会社 | 弊社 |
店 | 弊店 |
まとめ
社会生活において、相手の地位、関係、状況に応じて敬語を適切に使い分けることは極めて重要です。敬語の誤った使用は、「礼儀やマナーを知らない」「失礼だ」との印象を受け、自身の信頼性や評価を損ねる可能性があります。
特にビジネスメールでは、上司、取引相手、クライアント、顧客など、相手に対して適切な敬意を払う必要があります。
敬語の場合は、正確な知識を獲得し、それを実践で繰り返すことが不可欠であり、継続的な努力が必要です。
正確な敬語の理解は、メールの文章だけでなく、日常の対話やコミュニケーションにも大いに役立ちます。基本的なスキルの確立は、どんなスキルにも基盤となり、あなた自身の貴重な資産となると私は思います。最後に、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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