ステップ1 正確な文

目次

主語と述語の役割

主語:文の中で「だれ、なにが」を示す。
述語:文の中で「どうする、どんなだ、なんだ、ある、いる、ない」を示す。(※文末にあることが多い)

例文を使って解説します。

今日、僕は図書館で小説を読みました

主語:僕は
述語:読みました

このように、普段は何気なく使っている主語と述語ですが、できて当然とは思わずもう一度学びなおす気持ちで取り組もう。

では、次の例文を見てみましょう。

私は、映画を観に行ったが、退屈な映画だった。

何か違和感を覚えませんか❓

上記の例文では「私は」が「映画だった」ということになっています。このように、文にした際に主語と述語の関係が崩れてしまうこともあります。では、この文章を改善してみます。

私は、映画を観に行ったが、退屈な映画だと感じた

主語:私はに対して、述語:感じた
主語と述語の関係が成立していますよね。
では、次の例文を見ていきましょう。

当社は、顧客満足向上のために、改善活動を繰り返し、素晴らしい企業だと感じた

ん❓当社は(主語)~感じた(述語)❓
違和感を覚えませんか❓

主語が当社はであれば、述語は当社がしたこと/当社の状態を示さなければなりません。
また、述語が感じたのであれば、感じたのは誰❓おそらく、主語は私はになるでしょう。

では、この文の主語と述語を対応させるよ

主語が「当社は」の場合は述語を「成長した」に置き換えました。

当社は、顧客満足向上のために、改善活動を繰り返したことで、素晴らしい企業に成長した

述語が「感じた」の場合は主語を「私は」に置き換えました。

私は、顧客満足向上のために、改善活動を繰り返している当社を素晴らしい企業だと感じた

主語述語が対応しているおかげで、この文の意味が明確になりましたね。主語述語の関係は、文を理解する上で非常に重要な役割を果たします。

POINT

主語述語が対応しない場合、文の意図が曖昧になり、読み手は理解に苦しむことがあります。例えば「猫が」という主語の後に「走る」という述語があれば、「猫が走る」という明確な行動が伝わります。

逆に、「猫が」という主語の後に「テレビを見ている」という内容であれば、意味がぼやけてしまいます。き っと、猫はテレビの内容を理解できないですよね。この場合は「猫がテレビを見つめている」にすると明確な 行動が伝わります。

「は」と「が」の違いを理解しよう

次の改善前と改善後の文章を読んでください。

改善前

昔々、ある所におじいさんとおばっさん住んでいました。
おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ選択に行きました。

改善後

昔々、ある所におじいさんとおばっさん住んでいました。
おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ選択に行きました。

誰もが知る昔話です。改善前の文章を読んで変だと思いませんでしたか?
ここでは、「は」と「が」の使い方に解説します。

「が」の使い方 (初めて知ること)
話の最初なので、まだ登場人物は初めて知ることになる
「は」の使い方 (既に知っていること) 
話の流れから、おじいさんとおばあさんは既に知っているので、既に知っていることになる

「は」と「が」の使い方についてもう少し解説します。

質問「A君どんな仕事をしているの?」回答「A君営業の仕事をしています。」
この質問者と回答者はA君のこと知っています。

「は」の使い方の流れ 知らないこと~知っていること

質問「誰営業の仕事をしているの?」回答「A君営業の仕事をしている。」
誰かが営業の仕事をしているのは知っているが、それが誰なのか分からない状況です。

「が」の使い方の流れ 知っていること~知らないこと


修飾語の機能について学ぼう

修飾語は、物事をより詳細に説明するために用いられる言葉です。

具体的な例を挙げると、「私は食べる」という場合、動詞「食べる」だけでは何を食べるのかが不明確ですが、修飾語である「ご飯を」を加えることで、何を食べるのかが明確になります。

修飾語は、対象となる名詞、動詞、形容詞、副詞の要素に詳細情報を提供し、文脈を豊かにする役割を果たします。

では、いくつか例文を挙げて解説します。

1.「私は海に行く
この文章の修飾語は海になります。ちなみに修飾される言葉は被修飾語と言います。
修飾語  →海に
被修飾語 →行く
2.「私は赤い車を購入した。」
修飾語  →赤い
被修飾語 →車を
3.「白い猫が庭で寝ている。」
修飾語 →白いは「猫が」を修飾しています。
     庭では「寝ている」を修飾しています。

修飾語の位置に注意しよう。

上司はとても部下に分かりやすく指示を出した。

上司は部下にとても分かりやすい指示を出した。

のような文は少し引っかかりがあり、読み手に負担を感じさせる可能性が高いです。

の文のように、修飾語は被修飾語の直前に置けば読み手に負担を感じさせないすっきりした文章になります。

大きな庭の木

庭の大きな

のような文は「大きな庭」なのか、「大きな木」なのか、どちらの意味にも解釈できます。

なら誤解はおきません。読み手も「どちらかな?」と迷うことなく読み進められます。

新しい仕事をに挑戦して1年が過ぎ、だんだん専門用語が理解できるようになってきた。

新しい仕事に挑戦して1年が過ぎ、専門用語がだんだん理解できるようになってきた。

の文は修飾語「だんだん」が「専門用語」と「理解できるようになってきた」の両方に掛かっているので、少し分かりづらい内容になっています。
修飾語「だんだん」を「理解できるようになってきた」の前に移動し、文章の意味を明確にしました。

修飾語と被修飾語が離れていると、修飾語がどの言葉を修飾するのか分からなくなり、文の意味が曖昧になります。

修飾語を使う際には修飾される言葉(被修飾語)の直前に置くということを意識してください

よじれのない文が書ける

文の形式(決まり事)を覚えよう

まずは、下の文を読んでください

A社は、恐らく新たな市場を探求し、新製品を開発したのだ。

どうですか?何か違和感を覚えませんか?

上記の例文では「恐らく」~「したのだ」ということになっています。「恐らく」は(多分)や(きっと)の意味ですから、その後に来るのは推測の言葉「~だろう」が必要です。この文章を改善してみます。

A社は、恐らく新たな市場を探求し、新製品を開発したのだろう

上の文のように、「恐らくだろう」の形式を呼応の副詞と呼びます。では、次の文を読んでください。

会社に遅刻した理由は、恐らく電車の遅延によるものであろう、と断定している。

上の文は意味が不確かです。意味が確かになるように訂正して、二通りの文にするよ。

1.会社に遅刻した理由は、電車の遅延によるものである、と断定している
2.会社に遅刻した理由は、恐らく電車の遅延によるものであろう、と推定している

文が明確になりましたね。
恐らくなどの副詞を伴った場合は、だろうで終えるのがルールだよ。以下に同様の事例を挙げておきますので、参考にしてください。

1. 決してない(しない、でない、ではない)
(例文) 友情の絆は、決して簡単に裏切ることはできない
2. 断じてない
(例文) 断じて許さない
3. 必ずしもない(ではない、ではない) 
(例文) その提案は、必ずしも万能とは限らない
4. たとえでも
(例文) たとえ雨が降っても、私たちはキャンプに行くつもりです。
5.  全然(全く)~ない 
(例文) その説明では、全然伝わらない。 
6. 一向にない
(例文) 雨は一向にやむ気配がない。

同じような意味の言葉の重複に注意しよう。

次の文を読んでください。

彼は、私に会うたびに健康のことをいつも心配する。

上の文は、同じような意味の言葉が重複しています。
重複部分を削除すると文が整います。では、解説します。

彼は、私に会うたびに健康のことをいつも心配する。「たびに」と「いつも」は同じような意味の言葉なので、どちらかを削除すれば、上記の文は整います。

では、重複している言葉を削除して、二通りの文を作ってみます。

1.彼は、私に会うと健康のことをいつも心配する。
2.彼は、私に会うたびに健康のことを心配する。

重複を削除したおかげで、文がすっきりしましたね。
続いて次の文を読んでください。

今回のプロジェクトの予算はおよそ約1,500万円ほどです。

上記の文も重複しています。では、改善するよ。

今回のプロジェクトの予算は1500万円ほどです。

およそを削除したことで文章がすっきりしましたね。
このように、重複表現になりやすい言葉を一覧表にまとめましたので参考してください。

1 . 違和感を感じる→違和感を覚える
2 . あらかじめ予定していた→あらかじめ決めていた/予定していた
3 . いまの現状→現状
4 . 食事を食べる→食事をする/食事をとる
5 . 会を閉会する→閉会する/お開きにする
6 . 製造メーカー→製造業者/メーカー
7 . 価格を値下げする→価格を下げる/値下げする
8 . 年内中に→年内に
9 . 過半数を超えた→半数を超えた
10. 後で後悔する→後悔する
11. 電車に乗車する→電車に乗る
12. メンバーだけに限定する→メンバーに限定する
13. 頭痛が痛い→頭痛がする
14. お金を入金する→入金する
15. 日本に来日する→来日する
16. 甘いスイーツ→スイーツ
17. 安心感を感じる→安心感を覚える/安心する
18. もっぱら専念する→専念する
19. いまだ未完成→未完成
20. 捺印を押す→捺印する/印を押す
21. すべて一任する→一任する
22. 色が変色する→変色する
23. 馬から落馬する→落馬する/馬から落ちる
24. 骨を骨折→骨折
25. 故障中→故障
26. 後ろえバックする→バックする
27. 期待して待つ→期待する

一つの文には一つの要素を意識しよう

一つの文とは、書き始めから句点(。)までのまとまりのことをいいます。一文の目安としては60文字以内にするのが理想です。

一つの文で伝えることは、一つに絞る。これを守れば読み手の負担が減りスッキリした文なります。

次の文を読んでください。

このレストランは高級店なので、価格と人気が高く接客と落ち着いた雰囲気が漂う高級店だ。

上記の文は、複数の要素が入り混じっているので、とても読みにくい文になっています。
以下に不自然な点を挙げてみます。

1.このレストランは高級店なので、価格と人気が高く接客と落ち着いた雰囲気が漂う高級店だ。

  「このレストランは高級店なので、~高級店だ。」意味が重複している。


2.このレストランは高級店なので、価格と人気が高く接客落ち着いた雰囲気漂う高級店だ。

  「接客と落ち着いた雰囲気」が「漂う」に掛かっています。文を細かく分けると以下のようになります。
  落ち着いた雰囲気が漂う →主語と述語が対応している。
  接客が漂う       →主語と述語が対応していない。


3.このレストランは高級店なので、価格と人気が高く接客と落ち着いた雰囲気が漂う高級店だ。

   このレストランは高級店なので、価格が高い。→意味が通じます。
   このレストランは高級店なので、人気が高い。→高級店だから人気があるの?どうして?

では、上記の不自然な点を改善して、文を整えます。

このレストランは高級店なので、価格が高い。しかし、豪華な料理や洗練された接客サービスは、特別な日を祝うお客様に人気がある。

価格が高くても人気がある理由を明確にしました。このように一つの文の中の要素を二つに分けたことで、文が読みやすくなりましたね。

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