皆さん、文と文章の違いがわかりますか?
文章を書く際、私たちは日常的に「文」と「文章」という用語を使用しますが、これらの言葉は異なる概念を指しています。
「文」は、基本的な意味を伝える最小の文法単位で、書き始めから句点(。)までの一連の言葉やフレーズです。 一方、「文章」は、複数の文を組み合わせて一つのまとまりとして表現されたものです。
ステップ1では「文」について学びました。ステップ2では「文章」について学びます。
正しい接続詞の使い方
接続詞を適切に使用することで、文章の流れがスムーズになります。
主要な接続詞の種類には以下のようなものがあります。
働き | 使われる接続詞の例 | 例文 |
---|---|---|
前で述べた内容が、後で述べることの原因や理由となる。 | だから・すると・そこで・それで・したがって | 明日は朝が早い。だから、今日は早く寝る。 |
前で述べたことに対して、反対の内容が後にくる。 | しかし・けれども・だが・ところが・でも・にもかかわらず・逆に・一方 | 天気予報は雨を予測していた。しかし、外は晴れている。 |
前で述べたことを要約したり、補ったりする内容が後にくる。 | ただし・なぜなら・つまり・すなわち・たとえば | 彼は車の運転ができません。なぜなら、免許を持っていないからです。 |
前で述べたことに対して、後の内容を並べたり、付け加えたりする。 | また・さらに・そして・しかも | 彼は英語が得意です。さらに、フランス語も堪能です。 |
別の話題に変わるとき | ところで・さて・では | 平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、このたび~ |
内容を比べたり、どちらかを選んだりする。 | あるいは・または・それとも | 古い車を修理するか、または新しい車を買うことを考えている。 |
練習問題を解いてみよう!「 」内に適切な接続詞を入れてみよう!
問題の右側にある「 」をクリックすると答えと解説が確認できるよ。
問題1.彼の誕生日がもうすぐです。
「 」、サプライズパーティーを計画しています。
回答「だから」前の内容を根拠として、書き手が思ったり、考えたりした内容を示すケースに使います。
問題2.彼は約束の時間に現れなかった。
「 」、その理由を説明してくれなかった。
回答「にもかかわらず」結果に対して、不満や避難のニュアンスが含まれます。
問題3.彼は新しいアパートを見つけた。
「 」、彼女は古い一軒家を購入することを考えている。
回答「一方」前に述べた内容と対比させる意味を持ちます。
問題4.彼の誕生日には特別なプレゼントを贈るつもりです。
「 」、彼は私の親友だからです。
回答「なぜなら」結果とその理由を表しています。
問題5.彼の提案は興味深いものです。
「 」、実行には多くの資金が必要です。
回答「ただし」条件の念押しという意味合いが強いです。
問題6.この町には多くの歴史的な建物があります。
「 」、その中には江戸時代に建設された寺院も含まれています。
回答「ちなみに」相手にとって役立つ情報を補足するときに使います。
問題7.彼は毎日ジョギングをしています。
「 」、体調がかなり良くなりました。
回答「そのため」事実を踏まえたうえの結果を表します。ちなみに「そのため」の後にくる文章は事実のみです。
冗長な文章を避けよう
冗長(じょうちょう)とは、言葉や文章が無駄に長いことです。
下の文章を読んでください。
大変、読みにくいですね!
では、改善してみます。
改善例では、文章に句点(。)を新たに4つ打ちました。
さらに、接続詞(ただし)を加えて全体を5分割しました。
改善前の文章に比べると、はるかに読みやすく、また、理解しやすくなりました。
では、次の文章を読んでください。
1文に、複数の情報が詰め込まれているため、理解しにくいでね。
では、改善します。
一文に句点(。)を3つ打ち、全体を4分割しました。
また、一行が長くなりすぎないよう、句点ごとに改行しました。
簡単な文章の要約
電話の伝言メモや会議の発言要旨のメモなどは、結論を最初に書くことがポイントになります。
なぜなら、能率を優先するビジネス社会では、まず、結論が求められるからです。
要約の型 結論 理由・経緯 見通し
上記の手順に沿って以下の電話伝言メモを改善してみよう!
商品Aの発注に際して、誤って別の商品が発送されたという報告が寄せられたようです。納期に遅れが生じる見込みですが、納品時間が確定次第、すぐにご連絡をすると業者は言っている。商品Aの配達予定が約3時間遅れるれる見込みです。
商品Aの配達予定が約3時間遅れるとのこと。理由は誤って別の商品を発送させてしまったことが原因のようです。
なお、納品時間が確定したらすぐ連絡をするとのことでした。
改善後の文章を解説します!
最初に「納期時間が3時間ほど遅れる」という結果から述べる。
次に 「誤って別の商品を発送させてしまった」という理由を述べる。
最後に「納品時間が確定したら、連絡する」という見通しを述べる。
情報の伝達において、結論を先に述べることは、相手にとっても非常に受け入れやすい方法です。読み手は最初に重要な情報を得ることで、その後の詳細な説明を理解しやすくなります。このアプローチを活用すれば、情報の共有がスムーズに進みます。
箇条書きを覚えよう
下記の文章を見てください。
総務部門は、以下の業務を担当しています。社印および社長印の厳格な保管と管理、社内の人事関連庶務の処理、役員からの公式文書の受け入れと配布、什器や備品の適切な管理、社員研修プログラムの計画と実施、およびその他の事務業務の効率的な遂行です。
上記の文章はとても読みづらいですね。
では、箇条書きにしてみます。
総務部門の業務内容は以下の通りです。
- 社印および社長印の保管と管理
- 社員の人事に関する庶務業務
- 役員からの文章の受信と配布
- 什器や備品の管理
- 社員研修プログラムの計画と実施
- その他の事務業務の遂行
情報を簡単に把握することができますね。
このように伝えたい内容が複数あるときは箇条書きが効果的です。
では、もう一つ下記の例文をみてください。
現在のA店には、改善すべき点がいくつかあります。最初に、売り場内でのレジの配置が問題となっています。混雑時に、お客様が陳列棚の前まで列を作るため、棚の前で商品を探しているお客様に迷惑を掛けています。
また、悪天候の日には、廃棄物が増える傾向があり、在庫管理の工夫が求められます。たとえば、天候予測を活用して発注量を調整するなど、無駄を削減する方法を模索すべきです。
さらに、中央の陳列棚は、商品の配置が複雑であるため、お客様が品物を見つけるのに苦労しているように見えます。
現在のA店には、改善すべき点が3つあります。
1.売り場内のレジの配置が問題になっている
混雑時に、お客様が陳列棚の前まで列を作るため、棚の前で商品を探しているお客様に迷惑を掛けている。
2.悪天候の日は、廃棄物が増える傾向が高い
在庫管理の工夫が求められます。たとえば、天候予測を活用して発注量を調整するなど、無駄を削減する方
法を模索する必要がある。
3.中央の陳列棚は、商品の配置が複雑である
お客様が品物を見つけるのに苦労しているように見えます。
上記の箇条書きは、「1」「2」「3」のナンバリングや「売り場内のレジの配置が問題になっている」という見出しを付けたことで、視覚的に分かりやすくなっています。
文章構成(PREP法)
PREP法は、文章全体にわたる論理的な組み立てを実現することができるフレームワークです。答えを先に示してから「なぜなら~」と続ける構成です。
では、詳しく解説します。
P (Point – ポイント): 最初に、あなたの文章のポイント、つまり伝えたい主要なアイデアを決めます。これはあなたの文章の中心になる考えです。
R (Reason – 理由): 次に、そのポイントをサポートする理由や証拠を挙げます。他の人にあなたの考えを信じさせるために、なぜそのポイントが重要なのか説明します。
E (Example – 例): その後、具体的な例や詳細を使って、ポイントと理由を説明します。例を挙げることで、読者にイメージしやすくなります。
P (Point – ポイント): 最後に、最初に述べたポイントを再度強調し、まとめます。読者にあなたのメッセージを明確に伝えます。
この方法を使うと、文章が整然とし、論理的な構造を持つことができ、理解しやすくなります。
PREP法を使って、「四季が日本に与える影響について」文章を作成したので参考にしてください。
P (Point – ポイント):日本の自然の美しさと多くの伝統的な祭りや行事は、四季の変化がはっきり感じられることから、日本を特に魅力的にしています。
R (Reason – 理由): 四季が日本の風景や文化に与える影響は非常に大きいです。四季の変化は日本の風景に豊かさをもたらし、農業や祭りなどの文化的な活動にも大いに影響を与えています。
E (Example – 例): 春には桜の花が咲き誇り、日本中で花見の季節となります。夏には花火や夏祭りなどのイベントが楽しめ、涼しさを感じるための浴衣(ゆかた)や、かき氷なども楽しむことができます。秋には、山々の風景が美しく紅葉を楽しむことができます。そして、冬には雪景色が広がり、温泉地で雪見風呂を楽しむことができます。
P (Point – ポイント):四季の変化は日本の風景と文化に豊かさをもたらしていることが理解できます。
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